【2026年版】関税とは?個人輸入で誰が・いつ・いくら払うのか解説
2024-01-29
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2026年7月時点の税関の公表内容に合わせて全面的に見直しました
海外のネットショップで買い物をしたあと、宅配ドライバーから「関税をお願いします」と言われて驚いた経験はありませんか。
関税は、商品代金や送料と違って注文画面には出てこないことが多いお金です。しかも、いくらになるかは荷物が日本に着いてから決まります。だから「思ったより高くついた」が起きやすいのです。
この記事では、関税を誰が・いつ・どうやって払うのかという仕組みの部分を、税関が公表している内容にそって整理します。読み終えるころには、荷物が届く前に「だいたいこのくらいかかりそうだ」と見当がつけられるようになります。ぜひ参考にしてください。

目次
結論:関税を払うのは「荷物を受け取るあなた」です
海外通販の関税は、商品を輸入する人、つまり荷物を受け取るあなたが払います。売り手である海外のショップではありません。支払うタイミングは、荷物が日本に着いて税関の手続き(通関)をするときです。
税関は関税を納める義務がある人を「貨物を輸入する者」と定めており、輸入取引で運ばれる貨物であれば、原則としてインボイス(仕入書)に記載された荷受人がこれにあたるとしています(税関カスタムスアンサー1103/2026年7月時点)。個人の海外通販なら、注文したあなたの名前が荷受人になっているはずです。
ただし、実際の手続きは自分でやらなくて構いません。国際郵便や宅配便で届く荷物の場合、通関手続きは郵便局や運送会社が代わりに進めてくれます。あなたは荷物を受け取るときに、税額と手数料をその場で払うだけです。
関税は「輸入するとき」だけの税金です日本には輸出品にかける関税の制度はありません。海外へ物を送るときに日本の関税がかかることはなく、かかるとすれば相手国の関税です。

税額のもとになる「課税価格」は、海外の売値の6割で計算します
関税額は「課税価格 × 関税率」で決まります。そして個人が自分で使うために輸入する場合、課税価格は海外小売価格に0.6を掛けた金額になります。税関がそう明記しています(税関「少額輸入貨物の簡易税率」/2026年7月時点)。
つまり、海外のサイトで100ドルの商品を自分用に買ったなら、課税価格は100ドルではなく60ドル相当ということです。この0.6は、店頭価格には現地の販売経費や利益が乗っているため、それを差し引いて輸入時の価値に近づけるための調整だと考えるとわかりやすいでしょう。
自分で使うのか、売るのかで計算式が変わります
同じ商品でも、輸入の目的によって課税価格の出し方が変わります。転売する前提で仕入れるなら0.6の調整は使えません。
| 輸入の目的 | 課税価格の計算 |
|---|---|
| 個人が自分で使う | 海外小売価格 × 0.6 |
| それ以外(販売目的など) | 商品の価格 + 運送費 + 保険料 |
出典:税関「少額輸入貨物の簡易税率」(2026年7月時点)
注意したいのは、どちらにあたるかを判断するのは税関だという点です。同じ商品を大量に注文していたり、届け先が会社名・店舗名になっていたりすると、自分では個人使用のつもりでも販売目的とみなされることがあります。個人使用として買うなら、宛先は住まいの住所にして、数量も常識の範囲にとどめておくのが無難です。
課税価格が1万円以下なら原則は免税。ただし外れる品目があります
課税価格の合計額が1万円以下の物品は、原則として関税・消費税・地方消費税が免除されます。海外通販でよく言われる「1万円までなら税金がかからない」はここから来ています。
ただし例外があり、税関は次の2つをはっきり示しています(2026年7月時点)。
- 酒税・たばこ税・たばこ特別消費税は免除されません。お酒やたばこを買うなら、少額でもこれらはかかります
- 革製のバッグ、パンスト・タイツ、手袋・履物、スキー靴、ニット製衣類などは、課税価格が1万円以下でも関税等が免除されません。ただし、個人的な使用に供されるギフトとして居住者に贈られたものは除かれます
税関のカスタムスアンサー1006では、この「関税を免税しない物品」の主なものとして革製のカバン、ハンドバッグ、手袋等、編物製衣類(Tシャツ、セーター等)、スキー靴、革靴及び本底が革製の履物類等が挙げられています。革小物やニットのセーター、革のスニーカーは、少額でも課税されうるということです。海外通販でトラブルになりやすいのはまさにこの品目なので、注文前に思い出してください。
この1万円の基準は、見直しの議論が進んでいます財務省の関税・外国為替等審議会には「急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループ」が置かれ、少額免税基準の引下げまたは廃止、個人使用貨物の0.6掛けの特例の見直しについて議論が行われています(同ワーキンググループ資料・2025年10月17日)。2026年7月時点では、これらを変更する法改正は決まっていませんが、今後の海外通販の負担に関わる話です。まとめ買いを予定している方は、税関の発表を折々確認しておくと安心です。
関税とは別に、消費税と地方消費税もかかります
輸入品には関税だけでなく、日本で買い物をしたときと同じように消費税がかかります。税関が示している税率は、標準税率が消費税7.8%+地方消費税2.2%(消費税額の22/78)=合計10%、軽減税率が6.24%+1.76%=合計8%です(税関カスタムスアンサー1111/2026年7月時点)。
ここで見落としやすいのが、消費税は「課税価格+関税額」に対してかかるという点です。関税がかかった分だけ消費税も増えるので、税金が二段構えで積み上がると考えておきましょう。
円への換算レートは、注文したときのレートではありません
外貨で買った商品を円に換算するとき、使われるのは注文日のレートではなく、輸入申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の、その週の平均値です。このレートは税関長が毎週公示しています(税関カスタムスアンサー1406/2026年7月時点)。
そのため、注文時は免税ラインの内側だったのに、通関時の換算で少し超えてしまうということが起こり得ます。1万円ぎりぎりを狙うより、少し余裕を持たせておくほうが安心です。
課税価格が20万円以下なら「簡易税率」で計算されます

個人の海外通販のほとんどは、7区分にまとめられた「簡易税率」で処理されます。一般の関税率は数千の品目に分かれていますが、一般貨物または郵便小包で課税価格の合計額が20万円以下の場合には、これを大きく7つに束ねた簡易税率が適用されるためです(税関「少額輸入貨物の簡易税率」/2026年7月時点)。
区分ごとの具体的な税率と、簡易税率が使えない品目については、個人輸入で関税はいくらかかる?関税率の調べ方で表にまとめています。自分の商品がどの区分にあたるか調べたいときは、そちらをご覧ください。
知っておきたいのは、次の3点です。
- 簡易税率は個人輸入でも商業輸入でも使えます
- 輸入者が輸入貨物の全部について一般の関税率の適用を希望した場合は、一般の関税率が適用されます。簡易税率のほうが高くなる商品では、こちらを選ぶ余地があります
- 携帯品・別送品、関税が無税または免税になるもの、国内産業への影響から適当でないとされた物品には簡易税率は使えません
また、郵便物の重量制限などで荷物が2個以上に分かれた場合は、分割されたすべての合計額が課税価格になります。分けて送れば20万円を超えないようにできる、という話ではありません。
実際にいくらになるのか、順を追って計算してみます
ここまでの内容を、ひとつの例で通しで計算します。以下はあくまで仕組みを理解するための試算です。実際の税額は、品目の分類や課税価格の認定を含めて税関の判断で決まります。
例として、海外のサイトで4万円分の衣類(メリヤス編み・クロセ編み以外)を自分用に購入した場合を考えます。
- 課税価格を出す:40,000円 × 0.6 = 24,000円
- 関税率を当てはめる:この衣類は簡易税率の区分4にあたり、税率は10%。24,000円 × 10% = 関税 2,400円
- 消費税の課税標準を出す:24,000円 + 2,400円 = 26,400円
- 消費税を計算する:26,400円 × 10% = 消費税・地方消費税 2,640円
税金の合計は5,040円。これに、後述する通関の取扱手数料が加わります。4万円の買い物に対して5,000円強ですから、決して小さい額ではありません。
なぜ「いくらです」と言い切れないのか関税額は、品目がどの分類にあたるか、課税価格をいくらと認定するか、個人使用と認められるかによって変わります。これらを最終的に決めるのは税関です。この記事の数字は考え方を示すための目安であり、あなたの荷物の税額を保証するものではありません。金額をはっきりさせたい場合は、後述する事前教示制度や税関相談官の窓口を使ってください。
支払い方法は、荷物の届き方によって変わります

関税の払い方は、国際郵便で届くのか、宅配便(クーリエ)で届くのか、一般貨物で届くのかで変わります。個人の海外通販は、ほとんどが最初の2つです。
国際郵便で届く場合
郵便物は、税関が税額を計算する「賦課課税方式」で処理されます。税関の説明では、関税など税金の合計額が1万円以下の場合、あるいは1万円を超え30万円以下で名宛人が配達を希望する場合は、「国際郵便物課税通知書」と納付書とともに品物が直接配達されます。
このとき、税金の納付を日本郵便に委託する旨を申し出て、税金相当額と日本郵便の取扱手数料(郵便物1つで200円)を支払えば、その場で品物を受け取れます(税関カスタムスアンサー1301/2026年7月時点)。
それ以外の場合は、課税通知書だけが送られてきて品物は届きません。通知書に書かれた郵便局へ行き、納付書を受け取って銀行または郵便局の貯金窓口で納付すると、品物を受け取れます。この場合も別途、日本郵便の取扱手数料がかかります。
国際宅配便(クーリエ)で届く場合
DHLやFedEx、UPSなどの国際宅配便では、運送会社が通関手続きを代行し、税金を立て替えて納付します。受取人は配達時にドライバーへ、または後日の請求書で、立て替えられた税額に運送会社の手数料を加えた金額を支払います。着払いの荷物が届くイメージです。
この運送会社が受け取る手数料は、税金とは別物です。名称も金額も会社ごとに異なるため、荷物を追跡していて聞き慣れない請求が出てきたら、まず利用した運送会社の料金ページを確認してください。
一般貨物として届く場合
まとまった量を輸入したときなど、一般貨物として到着すると、航空会社や船会社から到着の通知が届きます。輸入申告書などの書類をそろえて自分で税関に申告するか、通関業者に依頼して手続きを進め、税金を納めてから引き取ります。個人の買い物でこの形になることは多くありません。
課税価格が20万円を超えると、手続きそのものが変わります

課税価格が20万円を超えると、税関が計算してくれる方式から、自分で申告する方式(申告納税方式)に切り替わります。一般の貨物、および課税価格が20万円を超える郵便物(寄贈物品などを除く)が対象です(税関カスタムスアンサー1301/2026年7月時点)。
この場合は、品名・数量・課税標準・税額などを輸入者が自分で申告します。申告は個人でもできますが、通関業者に依頼することもできます。同時に、簡易税率も使えなくなり、一般の関税率で計算されます。
高額な買い物をするときは、商品代金だけでなく手続きの手間まで増えると考えておきましょう。
金額に不安があるときは、事前に税関へ確認できます
「この商品にいくらかかるのか、買う前に知りたい」という場合は、税関の事前教示制度が使えます。輸入を予定している貨物の関税率表上の所属区分や関税率について、あらかじめ税関に照会して回答をもらえる制度です。
税関によると、原則は文書での照会で、回答として交付される事前教示回答書は有効期間3年間。輸入申告の審査の際に尊重されます。電話やEメールでも照会できますが、その場合は審査で尊重される取扱いにはならない点に注意してください(税関カスタムスアンサー1202/2026年7月時点)。
もっと気軽に聞きたいときは、各税関の税関相談官に電話で相談できます。手続きの流れや必要書類など、一般的な疑問はここで解消できます。
関税は減らせませんが、決済で乗る手数料は減らせます
ここまで読んでお気づきのとおり、関税と消費税は法律で決まっているので、買う人の工夫で安くできるものではありません。免税ラインを意識するくらいが現実的な対処です。
一方で、海外通販にはもうひとつ、削れる余地のあるコストがあります。カード決済のときに上乗せされる「海外事務手数料」です。海外のサイトで外貨建ての支払いをすると、多くの日本のクレジットカードでは請求時に数%の手数料が上乗せされます。4万円の買い物なら、これだけで数百円から1,000円前後の差になります。
この部分を抑える手段として使われているのが、外貨をアプリ内で持てるタイプのカードです。
Wiseは、両替に使うレートを実勢レート(ミッドマーケットレート=ニュースやGoogleで表示される、素の為替レート)と明記したうえで、両替手数料を別建てで表示しています。いくら手数料がかかるのかを、支払う前に確認できるつくりです。
Revolutも、アプリで複数の通貨を持ち、その通貨のまま支払える仕組みです。プランによって両替の条件が変わるため、申し込む前に公式サイトのプラン比較で、月間の両替上限と手数料の扱いを確認してください。
どちらが有利かは、買う頻度と金額、使う通貨によって変わります。カードごとの手数料の違いは海外で使えるおすすめデビットカード3選でも比較しているので、あわせてご覧ください。
まとめ|関税は「着いてから決まる」お金です
最後に要点を整理します。
- 関税を払うのは荷物を受け取る人。タイミングは日本に着いて通関するとき
- 個人使用の輸入なら、課税価格は海外小売価格 × 0.6
- 課税価格の合計が1万円以下なら原則免税。ただし革製品・ニット製衣類・履物などは対象外、酒税とたばこ税も免除されない
- 関税とは別に消費税・地方消費税(標準税率で合計10%)がかかり、しかも関税を足した額に対してかかる
- 円への換算は前々週の平均レート。注文時のレートで計算すると、免税ラインをまたぐことがある
- 課税価格20万円以下は簡易税率、20万円超は自分で申告
- 郵便で受け取る場合、税金のほかに日本郵便の取扱手数料(郵便物1つで200円)がかかる
- 最終的な税額を決めるのは税関。事前に確定させたいなら事前教示制度を使う
関税そのものは減らせませんが、決済で乗る手数料は選び方で変わります。関税率の調べ方とあわせて読んでおけば、次の海外通販では「いくらかかるか」を先に見積もれるようになります。
※本記事に記載した税率・手数料・制度の内容は、税関および財務省の公表情報にもとづく2026年7月時点のものです。制度は改正されることがあるため、実際に輸入する前に必ず税関の公式サイトでご確認ください。本記事は税額の目安と手続きの流れを解説するものであり、個別の税額を保証するものではありません。


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