知らないと「10%以上も損する!」超簡単!EUでの免税手続きをご紹介
2024-03-15
ヨーロッパ旅行の楽しみの1つにショッピング。一流ブランドの商品が日本より安く購入できるため、たくさん購入したいと考える人も多いのではないでしょうか。
今回は、EU圏内でのショッピングをお得にする免税制度について解説していきます。
免税制度を利用すると10%以上お得に買い物できる場合もありますので、活用しない手はありません。簡単に手続きできますので、ぜひやってみてくださいね。
目次
EUでの免税手続きとは?
始めにEUの免税制度、免税制度が使える条件、手続きに必要なものを解説します。
海外付加価値税払い戻し制度の概要
EU圏内で買い物をする際、価格には付加価値税(VAT: Value Added Tax)が含まれています。日本人観光客などEU圏外に住んでいる人は、免税申請をすると、VATを払い戻してもらえます。
付加価値税(VAT)は、商品やサービスが消費される際に課される間接税の1つで、日本の消費税に似た税金です。
EU加盟国では、VATの導入を義務付けています。下限は15%、上限は設けられておらず、国によって税率が異なります。また、軽減税率が適用される商品もあり、食品などの生活必需品は低い税率が設定されています。
EU各国の標準VAT税率と免税条件
付加価値税の払い戻しを受けるためには、下記の条件を満たす必要があります。
- EU圏内で6ヶ月未満の短期滞在(長期滞在するためのビザを持っていない)
- 免税加盟店での同日の購入総額が、各国の定める指定金額以上である
- EU圏外への出国時に、購入した商品と店舗から受け取ったVAT還付に関する書類が揃っている
- 3ヶ月以内に購入した商品を未開封・未使用の状態でEU圏外に持ち出すこと
各国の標準VAT税率と、還付率、免税対象金額(免税を受けるために必要な1店舗あたりの最低購入金額)、免税対象外の商品をまとめました。
国 | 標準VAT税率 | 還付率の目安 | 免税対象金額
(1店舗の最低購入金額) | 対象外の商品 |
フランス | 20% | 最大13%(加盟店により異なる) | €100.1 | 兵器・医薬品・タバコ・郵便切手・乗り物の運賃・50年以上前の美術品 |
イタリア | 22% | 11~15% | €70.1 | 燃料・乗り物の運賃・サービス |
スペイン | 21% | 8~13% | 最低購入金額なし | サービス |
ドイツ | 19% | 6~14% | €50.1 | プリペイド式モバイルサービス・自動車や機械類の部品・石油製品・乗り物の運賃・サービス |
オランダ | 21% | 7~13% | €50.00 | 企業が記念品として作成した写真製品やフォトブック・サービス |
オーストリア | 20% | 11~15% | €75.01 | 自動車や機械類の部品・サービス |
ギリシャ | 24% | 9~17% | €50 | 食品・船舶用潤滑剤・サービス |
ポルトガル | 23% | 11~14% | €61.50 | 自動車や機械類の部品・乗り物の運賃・サービス |
フィンランド | 24% | 9~16% | €40.00 | サービス |
※2024年3月現在の情報です。各国のルールは、予告なく変更される場合があります。
また、還付率は、購入した商品や店舗、還付申請代行業者の手数料によって差があります。あくまで目安となりますので、正確な還付率は、還付申請の際にご確認ください。
EUでの免税手続きで必要なもの
免税手続きに必要なものは、以下の通りです。
1.パスポート
購入時に非EU居住者であることを証明するため、また税関での手続きに必要です。
2.購入した商品
出国時に税関で商品を検査される可能性があるため、未使用、未開封の状態で持参する必要があります。
3.タックスフリーフォーム
免税加盟店で商品を購入した際に受け取る書類。店舗が発行するフォームには、購入者の情報、購入した商品の情報、購入金額、VATの金額が記載されています。
3.購入時のレシート
商品購入時に受け取るレシートも還付手続きの際に必要です。
4.出国時の航空券またはボーディングパス
税関での手続き時に、EU圏外への出国が確認できる航空券やボーディングパスを提示する必要があります。
EUでの免税手続きの方法
EU圏内で購入した商品の免税手続きを2つご紹介します。1つは、現地で現金で還付してもらう方法、もう一つは、日本に帰国してからクレジットカードに還付してもらう方法です。
現地で現金で払い戻してもらう方法
今回は、フランスでの一般的な免税手続きの手順をご紹介します。
免税通関システム「PABLO(パブロ)」による免税手続き
フランスでは、国際空港や・港・国境の税関に設置されたPABLO(パブロ)という端末を使って簡単に免税手続きができます。購入時からの流れは以下の通りです。
商品購入時に店舗で免税書類(輸出販売明細書)をもらう
- 免税加盟店でパスポートを提示し、免税申請する旨を伝える。
- 輸出販売明細書(bordereaux de vente à l’exportation – BVE)を作成してもらい、払い戻し方法(現金またはクレジットカード振込)を選択し、署名する。
- 輸出販売明細書とレシートの原本、返信用封筒を受け取る。商品は未使用のまま持ち出さなければならないため、開封せずに持ち帰る。
飛行機のチェックイン前にPABLO(パブロ)端末で輸出販売明細書を読み込む
- タッチパネルで言語を選択する。(日本語もあります。)
- 輸出販売明細書のバーコードを読み込ませる
- 緑色の画面に「OK 承認済免税証」と表示されたら、手続きは完了
- 現金での還付を選んだ場合は、両替窓口にてユーロでキャッシュバックしてもらう
画像引用: www.douane.gouv.fr
クレジットカードへの還付を選んだ場合は、書類一式を返信用封筒に入れて、すぐそばのポストに投函します。
※パブロの画面が赤色になった場合は、画面の指示に従います。免税カウンターで手続きをすることもありますので、パスポート、航空券、購入した商品(未開封)を見せられるように準備しましょう。
日本に帰国してからクレジットカードに払い戻してもらう方法
次に、日本に帰国してから、申請手続きをする方法をご紹介します。海外で言葉が分からず、ポストの場所が分からなかったときや、出発の時間が迫っていて投函できなかったときは、日本の空港で投函することができます。
クレジットカードに払い戻ししてもらうと、日本円で還付されるため、ユーロから日本円への両替手数料がかからないメリットもあります。
グローバルブルー社の日本での手続き方法
今回は、免税手続き代行業者の最大手、グローバルブルー社の手続き方法をご紹介します。
1.商品購入時にお店から免税書類をもらう
グローバルブルー社のマークがある店舗で、免税対象額以上の買い物をして、パスポートを提示して免税書類を作成してもらう。
画像引用:Global Blue
2.書類に記載された氏名・住所・パスポート番号・購入金額など内容に間違いがないか確認し、署名する。
3.空港の税関に免税書類、パスポート、レシートの原本、未開封の商品、搭乗券または航空券を持参し、税関スタンプ(輸出証明印)を押してもらう
4.日本に帰国後、空港にあるグローバルブルー社の専用BOXに書類を投函する
グローバルブルー社は、成田空港、関西空港、中部国際空港に、専用BOXや払い戻しカウンターを設置しています。もし、空港で投函するのを忘れてしまった場合は、一般郵送での申請も可能です。
画像引用:www.centrair.jp
5.クレジットカードに返金される
クレジットカードへの振り込み手続きは、通常1〜2ヶ月かかります。毎月の利用明細書にマイナス表示(入金)で記載されます。
EUでの免税手続きの注意点
EU特有のルールやトラブルへの備えをご紹介します。
免税手続きは、EU圏内の最終出発地点で行う
EU圏内で複数の国を旅行する場合は、最終的にEUを離れる国でVAT還付を申請しなければなりません。
たとえば、フランスからイタリアを回って、日本に帰る場合はイタリアで還付申請を行います。それぞれの国でもらった免税書類は、すべて保管しておきましょう。
トラブルに備え、提出書類の写真を撮っておく
申請が通らないなどの問題が起きた場合に備えて、スタンプを押してもらった免税書類は、投函する前に写真を撮っておきましょう。内容を見返したり、証拠として使用できます。
お得に海外旅行するには、クレジットカード選びが重要!
もう一つ、お得に海外旅行するために忘れてならないのは、クレジットカード選びです。手数料の安さや特典など、自分にぴったりのカードを探したい方は、こちらの記事がおすすめです。【海外旅行におすすめ】クレジットカード7選|手数料・還元率比較
海外旅行の前に、ぜひ一読ください!
今回は、EUでの免税手続きについて解説しました。EU加盟国は20%以上の付加価値税を課税している国が多いため、免税手続きをすると大変お得にショッピングできます。
申請用端末のパブロは日本語が使えますし、帰国してから書類を投函することもできるので、思ったより簡単な手続きです。ぜひ、EUに旅行する際には、免税手続きをしてみてくださいね。