海外送金の手数料は4つ|内訳と全体像をやさしく解説【2026年版】

2022-10-23

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海外にお金を送ろうとして手数料の案内を読んでも、結局いくらかかるのか分からない。そんな経験はありませんか。

原因ははっきりしています。海外送金の費用はひとつではなく、払うタイミングも払う相手も違う複数の費用に分かれているからです。しかも、そのうちのひとつは「手数料」としてどこにも表示されません。

この記事では、海外送金にかかるコストを4つに整理し、それぞれ誰にいくら払うのかを順に解説します。10万円を米ドルで送るとどれだけ目減りするのか、試算も入れました。ぜひ参考にしてください。

※本記事の金額・条件は、編集部が2026年7月に各社の公式サイトを確認した内容です。手数料は予告なく変更されるため、送金前に必ず公式サイトでご確認ください。

先に結論:海外送金のコストは4つに分かれます

海外送金でかかるお金は、次の4つです。このうち②の「為替レートの上乗せ」だけは手数料として表示されないため、見落とされがちです。

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費用払う相手負担するのは金額の目安
①送金手数料送金を頼んだ銀行・事業者送る人数百円〜8,500円程度(受付方法で大きく変わります)
②為替レートの上乗せ両替をする銀行・事業者送る人通貨によって幅が大きい(表示されません)
③中継銀行手数料経路の途中に入る銀行原則は受け取る人1件あたり1,000〜3,000円程度
④受取手数料受取人の銀行受け取る人0円〜2,500円程度
金額はいずれも銀行・事業者や送金先によって変わります。以下、各費用の根拠となる公式情報を示しながら説明します。

大事なのは、①と②は送る人が、③と④は受け取る人が負担するのが原則という点です。送る側の画面に出てくる「手数料◯円」は、①だけを指していることが少なくありません。

つまり、送る側で見えているコストと、受取人の口座に実際に入る金額は一致しないということです。この記事はそのズレを埋めるためのものだと思ってください。

なぜ「中継銀行」という知らない銀行が出てくるのか

銀行を使う海外送金は、多くの場合SWIFT(スイフト)という国際的な通信ネットワークを通じて行われます。世界中の銀行が同じ様式で送金の指図をやり取りする仕組みで、日本では全国銀行協会が概要を解説しています。

ここで押さえておきたいのは、SWIFTは「連絡網」であって、お金そのものが流れる管ではないということです。実際の資金の受け渡しは、銀行同士が持ち合っている口座を通じて行われます。

日本銀行の説明が分かりやすいので、要点を紹介します。外貨建ての決済をするには、その通貨の中央銀行に口座を持っている銀行に代行してもらう必要があります。たとえば日本のA銀行が米国のY銀行へドルを支払うとき、米国の中央銀行に口座を持つ米国のX銀行に代わりに決済してもらう。この代行してくれる銀行が「コルレス・バンク」=中継銀行です。

SWIFT経由で海外の銀行へ送金するときの流れと、費用が発生する場所を示した図
SWIFT経由で海外のC銀行へ送金する場合の流れ。図中の番号は費用が発生する場所を示したもので、本記事の①〜④とは対応していません(図の「①入金手数料」は本記事では扱わず、送金手数料編で解説しています)。

相手の銀行と直接コルレス契約があれば中継は不要ですが、なければ間に1行、場合によっては2行以上が入ります。そして送る側からは、いくつの銀行を経由するのか事前には分かりません。これが「送ってみないと受取額が確定しない」という海外送金特有のもどかしさの正体です。

参考:日本銀行|コルレス契約とは何ですか?全国銀行協会|SWIFT

銀行を特定するSWIFTコードについては、SWIFTコードとは?検索方法とおすすめサイト紹介でくわしく解説しています。

費用①送金手数料:受付方法で数千円変わります

送金手数料は、送金を引き受けてもらう対価として、送る人が銀行・事業者に払う費用です。4つのなかでいちばん分かりやすく、比較もしやすい部分です。

金額の決まり方は、銀行と資金移動業者で考え方が違います。

  • 銀行:送金額にかかわらず定額のことが多い。かわりに受付方法(窓口かオンラインか)で金額が大きく変わります
  • 資金移動業者(Wiseなど送金を専門にする事業者):送金額に応じて変わる料率型・段階型が中心です

実例を挙げます。編集部で各行の公式サイトを確認したところ、同じ銀行の同じ送金でも受付方法で次のように分かれていました。

受付方法送金手数料
みずほ銀行/窓口・他行あて8,500円
みずほ銀行/みずほダイレクトアプリ5,000円
三菱UFJ銀行/窓口7,000円
三菱UFJ銀行/三菱UFJダイレクト・他行あて3,000円
出典:みずほ銀行|外国為替関係手数料(個人のお客さま)(2026年5月1日現在の掲載内容)/三菱UFJ銀行|外国為替関係手数料(2026年3月2日現在)。いずれも編集部が2026年7月に確認

三菱UFJ銀行の場合、窓口とオンラインで4,000円の差があります。窓口は行員の時間を使う分だけ高く設定されているのが一般的で、この傾向は他の銀行にも共通します。

送る側が払う費用のくわしい内訳は、海外送金の送金手数料はいくら?送る側が払う費用の内訳にまとめています。

費用②為替レートの上乗せ:明細に出てこない費用です

4つのなかでいちばん見えにくく、金額が大きくなりがちなのがこれです。円を外貨に替えるときのレートに、あらかじめ事業者の取り分が織り込まれています。

言葉を整理します。

  • 仲値(TTM)…その日の基準になるレート。ニュースやGoogle検索で見かける数字に近いものです
  • TTS(電信売相場)…銀行があなたに外貨を売るときのレート。仲値より高く設定されます
  • TTB(電信買相場)…銀行があなたから外貨を買うときのレート。仲値より低く設定されます

海外に送金するときは円を外貨に替えるので、使われるのはTTSです。この「仲値とTTSの差」が、そのまま両替する側の取り分になります。全国銀行協会も、TTS・TTBは各銀行が独自に定めていると説明しています。

これは推測ではありません。みずほ銀行は公式の説明書で、TTSレートには為替手数料(米ドル1円/ユーロ1円50銭)が含まれていると明記しています。同行の公示相場から編集部が算出すると、通貨ごとの上乗せ幅は次のとおりでした。

通貨仲値からの上乗せ(片道)
米ドル1.00円
ユーロ1.50円
英ポンド4.00円
豪ドル2.50円
中国人民元0.30円
タイバーツ0.08円
出典:みずほ銀行|外国送金取引についての説明書外国為替公示相場(2026年7月30日現在)から編集部が算出。相場は毎営業日変わります

注目してほしいのは通貨によって幅がまったく違うことです。米ドルの1円に対し、英ポンドは4円。1ポンド200円前後だとすると、上乗せは約2%に相当します。

送金手数料が同じでも、送る通貨が変わればコストは変わるということです。手数料の比較表だけを見ていると、この差は絶対に見つかりません。

上乗せは銀行だけの話ではありません

「銀行は上乗せするが、送金アプリは実勢レート」と単純化するのも正確ではありません。上乗せの有無と幅は、事業者ごとに個別に確認する必要があります。

実際、公式サイトで上乗せを明言している事業者もあります。セブン銀行は海外送金サービスの為替レートについて「当社所定の利ざやが含まれています」と記載しています。Western Unionも、通貨換算からも利益を得ていると説明したうえで、手数料と換算レートの両方を比較するよう呼びかけています。

誠実に開示している事業者ほど、この点をきちんと書いています。「為替手数料無料」と書かれていたら、それは送金手数料の話なのかレートの話なのかを確かめてください。

通貨ごと・事業者ごとの上乗せについては、海外送金の送金手数料はいくら?送る側が払う費用の内訳でくわしく扱っています。

費用③中継銀行手数料:送る前には金額が分かりません

中継銀行手数料は、経路の途中に入った銀行が、送金額から直接差し引く費用です。銀行を使うSWIFT送金でのみ発生し、送金専門の事業者を使うと発生しないことが多くなります。

中継銀行が送金経路の途中に入ることを示した図
再掲:送金経路の途中に入る「海外B銀行」が中継銀行です

やっかいなのは3点です。

  • いくつの銀行を経由するか、送る前には分からない
  • そのため合計いくら引かれるかも事前に確定しない
  • 原則として受け取る人の負担。送った額より少ない金額が届きます

「送金人負担にすれば満額届く」は誤りです

ここは多くの解説記事が間違えているところなので、はっきり書きます。定額の手数料を払って「送金人負担」を選んでも、満額が届く保証はありません。

各行とも、送金人(依頼人)負担を選べる代わりに定額の手数料を設定しています。ところが、その説明のすぐそばに但し書きが置かれています。

銀行送金人負担にしたときの手数料公式サイトの但し書き
三井住友銀行2,500円(関係銀行手数料)受取人の取引銀行や経由銀行が受取人へ別途請求することがある。後日4,000円を超える請求があれば差額を追加請求
三菱UFJ銀行3,000円(支払銀行手数料)海外の経由銀行等の手数料が送金金額から差し引かれる場合がある。後日10万円を超える請求があれば差額を追加請求
楽天銀行1,000円(中継銀行手数料)送金人負担としても、中継銀行によっては一部が送金金額から差し引かれて着金する場合が稀にある
みずほ銀行2,500円(コルレス先支払手数料)依頼人負担を選んでも、海外の銀行都合等により全額で支払われない場合がある
編集部が2026年7月に各行公式サイトで確認。要旨をまとめたものです。ゆうちょ銀行のように、そもそも送金人負担を選べない銀行もあります

読み解くとこうなります。定額の2,500円や3,000円は「とりあえず最初に預かる額」であって、上限ではありません。足りなければ後日追加で請求される条項が、どの行にも付いています。

学費や請求書のように、届く金額がぴったり決まっている送金では、この点を必ず織り込んでください。中継銀行手数料の細かい仕組みは、海外送金の受取手数料と中継銀行手数料|受取側で引かれる額で解説しています。

費用④受取手数料:受け取る側の口座からも引かれます

資金が受取人の銀行に着いたあと、その銀行が口座に入金する手数料を取ることがあります。日本語では「被仕向送金手数料」と呼ばれます。

これも原則は受け取る人の負担です。ただし金額は銀行によってかなり違い、無料の銀行もあります。日本で受け取る場合の例を挙げます。

銀行被仕向送金手数料(受取時)
ソニー銀行0円
三菱UFJ銀行外貨建→円口座 1,500円/外貨建→外貨口座は無料
三井住友銀行1,500円
みずほ銀行(窓口)2,500円
楽天銀行2,450円
編集部が2026年7月に各行公式サイトで確認。三菱UFJ銀行は被仕向手数料の改定が予定されています(後述の受取側の記事を参照)

③と④を合わせると、受け取る側だけで数千円が引かれることも珍しくありません。「10万円送ったのに、相手には9万円しか届かなかった」という食い違いは、たいていここで起きています。

受け取る側にかかる費用は、海外送金の受取手数料と中継銀行手数料|受取側で引かれる額でくわしく解説しています。海外から日本で受け取る予定の方はこちらもご覧ください。

【試算】仮に10万円を米ドルで送ると、いくら減るのか

数字で見たほうが早いので、試算してみます。ここから先の為替レートは説明のための仮の数字です。実際の相場は毎営業日変わります。

条件は次のとおりとします。

  • 10万円を米ドルで海外へ送る
  • 銀行の窓口から手続きする(送金手数料8,500円)
  • 仮に仲値が1米ドル=150円、TTSが151円(上乗せ1円)だとする

計算はこうなります。

  • 10万円 − 送金手数料8,500円 = 両替に回るのは91,500円
  • TTS151円で両替:91,500円 ÷ 151 = 605.96ドル
  • もし仲値150円で両替できたら:91,500円 ÷ 150 = 610.00ドル
  • 差額 4.04ドル = 仲値換算で約606円。これがレートの上乗せ分です

ここまでで、送る側の負担は8,500円+606円=約9,106円。送った10万円の約9.1%です。

さらに、中継銀行手数料を「依頼人負担」にすると2,500円が加わり、合計は約11,600円(約11.6%)になります。それでも満額着金の保証はなく、受取人の銀行で受取手数料が引かれる可能性も残ります。

同じ計算を英ポンドでやると差が広がります。仮に仲値が1ポンド200円、TTSが204円(上乗せ4円)だとすると、91,500円は448.53ポンド。仲値なら457.50ポンドですから、上乗せ分は約1,794円と米ドルの約3倍です。

少額の送金ほど、この比率は跳ね上がります。1万円を窓口から送れば、手数料だけで送金額に迫ってしまうという計算になります。

「誰が払うか」は送金のときに選びます

③と④を誰が負担するかは、送金を依頼するときに指定します。国際的にはOUR・SHA・BENという記号で区別され、日本の銀行では「依頼人負担」「受取人負担」といった言葉で表示されるのが一般的です。

区分国際的な意味受取額への影響
OUR依頼人(送る人)がすべて負担受取額は減りにくいが、満額は保証されません
SHA送金側の手数料は依頼人、受取側の手数料は受取人(=分担)多くの銀行の既定。差し引かれて届きます
BENすべて受取人が負担差し引かれて届きます
日本語の表記は銀行によって異なり、国際的な定義と完全には一致しません。申込画面の表記でご確認ください

「相手にぴったりこの金額を届けたい」ときは、必ず負担区分を確認してください。何も指定しないと受取人負担側の扱いになり、届く額が減ります。日本語表記のズレについては受取側の記事で具体例を挙げています。

コストを下げる4つの考え方

ここまでの4つの費用を踏まえると、下げどころは自然に決まります。手数料の安さだけを見るのではなく、「受取人にいくら届くか」で比べるのが基本です。

  • 窓口ではなくオンラインで手続きする…①がいちばん大きく下がります。同じ銀行でも数千円の差になります
  • レートの上乗せを込みで比べる…②は手数料欄に出てきません。送金額と受取額の両方が表示されるサービスで確認しましょう
  • 送金額と回数を意識する…定額型の銀行は高額向き、段階型の事業者は少額向きです。少額を何度も送るなら事業者が有利になりやすくなります
  • 中継銀行を経由しない経路を選ぶ…送金専門の事業者は各国内での振込に置き換える仕組みを持つことが多く、③が発生しにくくなります

どの手段が向いているかは、送る金額・送金先・急ぎ具合で変わります。銀行と資金移動業者の違いや選び方は、海外送金の方法を徹底比較|銀行・資金移動業者・専門業者の選び方で整理しています。

送金前に「実際にいくら届くか」を確かめる

ここまで見てきたとおり、海外送金のコストは画面に出てくる「送金手数料」だけではありません。為替レートへの上乗せは明細に出てこないため、気づかないまま負担していることがあります。

そのため、送る前に「結局いくら引かれて、いくら届くのか」を確認しておくことが大切です。Wiseは両替に使うレートを市場の実勢レート(ミッドマーケットレート)と明示し、手数料を別建てで表示しています。手続きに進む前の画面で受取額を確認できます。

ただし、どこが有利かは送金先・金額・急ぎ具合で変わります。銀行の見積もりと並べてから決めるのがいちばん確実です。

※金額の確認は無料です。実際に送金するまで料金は発生しません。

まとめ:手数料表の数字だけで判断しないでください

海外送金のコストを見るときは、4つの費用を全部足してから比べる。これに尽きます。

  • ①送金手数料…送る人が払う基本料金。窓口かオンラインかで数千円変わります
  • ②為替レートの上乗せ…手数料として表示されない費用。通貨によって幅が大きく違います
  • ③中継銀行手数料…経路の途中で引かれる費用。送金人負担にしても満額着金は保証されません
  • ④受取手数料…受取人の銀行で引かれる費用。原則は受け取る人の負担です
  • 10万円を窓口から米ドルで送る試算では、送る側だけで約9%の負担になりました
  • ぴったりの金額を届けたいときは負担区分(OUR/SHA/BEN)を必ず確認しましょう

もっとくわしく知りたい方は、次の3本もあわせてご覧ください。

※本記事は海外送金にかかるコストの比較方法を解説するものであり、特定の金融商品の取得や運用をすすめるものではありません。

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