外国人留学生の銀行口座開設ガイド「拒否されない」ための対策を紹介

2025-01-11

Bankbook-and-money

「在留カードと学生証の名前表記が違うだけで断られた。」
「日本語が話せないというだけで門前払いされた。」

外国人留学生の銀行口座開設は、想像以上に高いハードルとなっています。しかし、留学生活では、奨学金の受取りや家賃の支払いなど銀行口座が必要です。

この記事では、外国人留学生が直面する銀行口座開設の課題を解決し、スムーズに口座を開設するための具体的な方法を解説します。

また、便利でお得な海外送金の方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

外国人留学生が銀行口座を開設する手順

ここでは、スムーズに口座を開設するために必要な準備と具体的な手順を説明します。

必要なもの・必要書類

Account-opening-documents

銀行口座の開設には以下の書類が必要です。

  • 在留カード(有効期限が6か月以上あるもの)
  • パスポート
  • 学生証(まだ発行されていない場合は入学許可証でも可)
  • 印鑑(サインでも可能な銀行が増えています)
  • 電話番号(日本国内で使用できるもの)

在留カードの住所が現住所と異なる場合は、追加で住所を証明できる書類(公共料金の請求書など)が必要です。

最近は印鑑を使わず、サインで口座開設できる銀行が増えてきました。しかし、家を借りたり、光熱費を申し込んだりする際は、印鑑が必要になる場面もあります。

カタカナやローマ字の印鑑もありますので、一つ作っておくことをおすすめします。

銀行口座開設の手順

Account-opening-procedure

1.来店予約をする

多くの銀行では予約なしでも受付けていますが、英語対応が必要な場合は事前予約がおすすめです。銀行のウェブサイトや電話で予約できます。

2.銀行窓口を訪問

必要な書類をそろえて、予約時間の10分前には到着しましょう。

3.申込書の記入

記入例を参考に、ローマ字や漢字で必要事項を記入します。

4.本人確認と審査

提出した書類で、在留資格や在留期間のチェックがおこなわれます。

5.暗証番号の設定

4桁の暗証番号を設定します。生年月日など推測されやすい番号は避けましょう。

6.キャッシュカードの受取り

即日発行できる銀行と、後日郵送となる銀行があります。郵送の場合は1~2週間程度かかります

以上の手順で口座開設は完了です。キャッシュカードとインターネットバンキングの利用開始まで書類は大切に保管しておきましょう。

外国人留学生におすすめの銀行と選び方

ATM

銀行選びは留学生活の快適さを大きく左右します。以下の4つのポイントを押さえて、自分に合った銀行を選びましょう。

・キャンパス周辺のATM設置状況

通学途中や学内でお金を引き出せると便利です。他行ATMの利用は手数料がかかるため、自分の生活圏内にATMが多い銀行を選びましょう

・インターネットバンキングの使いやすさ

残高確認や振り込みなど、スマートフォンで手軽に操作できるかどうかをチェック。とくに英語対応のアプリがあるかどうかは重要なポイントです。

・英語対応の有無

窓口やATM、各種書類の英語対応があると安心です。とくに口座開設時の説明や契約書の理解に必要です。

・開設時の条件の緩さ

在留期間や言語要件など、銀行によって口座開設の条件は異なります。事前に確認しておくと安心です。

上記のポイントから外国人留学生におすすめの銀行を2つご紹介します。

ゆうちょ銀行

Japan-Post-Bank

画像引用:ゆうちょ銀行

2022年の在留外国人総合調査によると、ゆうちょ銀行で自分名義の口座を開設している外国人の割合は7割強です。これは、他の銀行が5割、ネット銀行が3割という割合と比較すると非常に高い水準です。

ゆうちょ銀行情報

項目内容
開設場所窓口・アプリ
ATM・店舗数全国23,557店舗、31,157台のATM(2024年3月末時点)。
口座開設条件滞在期間3か月から可能。他行は通常6か月以上が必要。
手続きの簡便性印鑑不要。サインのみでOK。
注意点・本人確認に時間がかかる場合がある。
・口座開設後、通帳は後日郵送となる場合がある。
便利なサービス・必要書類をインターネット上で事前に作成可能。16言語対応。 ・スマホアプリからの申請は、日本語・英語・中国語・ベトナム語に対応。

日本語に不慣れな方は、書類の記入に時間がかかります。事前に書類を作成しておくとスムーズに手続きを進められます。

参考
株式会社サーベイリサーチセンター|2022 第二回在留外国人総合調査 「在留外国人の金融機関利用について」
ゆうちょ銀行個人投資家のみなさまへ
ゆうちょ銀行「口座を開設される外国人のお客さまへ」

三井住友銀行

Sumitomo-Mitsui-Banking-Corporation

画像引用:三井住友銀行|Translated pages

三井住友銀行は、英語や中国語でのサポートをおこなっている店舗もあり、日本語が不安な方も比較的スムーズに手続きをできます。

三井住友銀行情報

項目内容
開設場所窓口・ホームページ(米国籍の方は窓口のみ)
ATM・店舗数全国989店舗、三井住友銀行の本支店ATMほか他行、コンビニエンスストアATM(2025年1月現在)
口座開設条件在留期間6か月以上
手続きの簡便性印鑑不要。サインのみでOK。
注意点ホームページからの手続きは、在留カードと、以下の書類のうち1点の計2点が必要
・運転免許証
・マイナンバーカード
・健康保険証の被保険者証
便利なサービス・英語、中国語、韓国語、ベトナム語の翻訳ホームページ
・英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語、タイ語の口座申込書記入例

銀行のスタッフのなかには外国語が話せる人もいますが、基本的には日本語での対応です。不安な方は通訳してくれる人に同伴してもらうことをおすすめします。

参考
三井住友銀行「翻訳対象サイト」
三井住友銀行「普通預金・総合口座申込書記入例(外国語版)」
三井住友銀行|よくあるご質問「【口座開設】外国籍ですが、口座開設できますか?」

外国人留学生が銀行口座開設を拒否されてしまうケース

BANK

せっかく書類を用意して銀行に行っても、口座開設を断られてしまうことがあります。ここでは、おもな拒否理由とその対策を説明します。

滞在期間が6か月未満の場合

日本の法律では、外国人の銀行口座開設に厳しい制限があります。

  • 観光ビザなど90日以内の短期滞在者は口座開設不可
  • 長期滞在ビザ(90日以上)でも、滞在期間が6か月未満の場合は原則開設不可

これらの制限は、国際的なマネー・ローンダリング対策の一環です。

なかには、日本語が話せないだけで門前払いされてしまうケースも。Xではこのような投稿が見られました。

「日本語が話せる」=「長期間日本に滞在している」と、判断している銀行員もいるようです。

【対策】

  • ゆうちょ銀行を利用する(ゆうちょ銀行は3か月から口座開設可能)
  • 大学指定の銀行はその旨を窓口で相談する
  • 通訳できる人を同伴する

審査基準は各銀行で異なるため、事前に問い合わせることをおすすめします。

提出書類に不備がある場合

書類の不備は以下のような場合に拒否されやすくなります。

  • 在留カードの住所が現在の住所と異なる
  • パスポートの有効期限が近い
  • 学生証がまだ発行されていない
  • 書類の記入に誤りや空欄がある

Yahoo知恵袋にもこのような質問が投稿されていました。

Yahoo-Chiebukuro

引用:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12278482187

一般的に窓口で口座開設を申請する際は、在留カードのみで開設可能ですが、学生の場合は学生証の提出が求められるケースがあるようです。まだ発行されていない方は大学に問い合わせましょう。

【対策】

  • 手続き書類の氏名はすべて在留カードに書いてあるとおりに記入する(ミドルネームも省略しない)
  • 住所変更した場合は、在留カードを持参して市町村に届け出る
  • 事前に口座開設の申請用紙を記入しておく

各銀行で必要書類が異なりますので、事前に銀行のウェブサイトや窓口で確認しておきましょう。

参考:出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」

銀行口座を奨学金の受給に使用する場合の注意点

奨学金を受給する場合、開設する銀行口座が指定されていることがあります。とくに文部科学省による国費奨学金や、日本学生支援機構の奨学金を受給する場合は「ゆうちょ銀行」に口座を開設しなければなりません

自分が受給する奨学金の条件を確認したうえで、口座を開設しましょう。

参考:独立行政法人日本学生支援機構|よくあるご質問「海外の口座への振り込みは可能ですか。」

母国への海外送金は銀行より海外送金専門業者がお得!

dollar-and-yen

銀行口座が開設できると、日常的な使用のほか海外送金も可能になります。しかし、銀行からの海外送金にはいくつかのデメリットがあります。

  • 手数料が高額
  • 為替レートに上乗せ手数料が含まれる(銀行ごとに独自に定めたレートを採用)
  • 中継銀行手数料が別途かかることもある
  • 書類作成や手続きが複雑

三井住友銀行と、ゆうちょ銀行から10万円を米ドル口座に送金する場合の手数料を試算しました。今回は、為替手数料を1ドル2円、市場レートは1ドル=150円と仮定しています。また、海外送金時に複数の銀行を経由して振替がおこなわれる際に発生する中継銀行手数料は2,500円としました。

三井住友銀行の場合

(1) 店舗で送金(海外他行宛)

  1. 送金手数料:7,500円
  2. 中継銀行手数料(仮定):2,500円
  3. 為替手数料(仮定:1ドル2円上乗せ)

・100,000円を市場レート150円で換算 → 約666.67ドル
・銀行レート152円で換算 → 約657.89ドル
・差額(666.67ドル – 657.89ドル)=約8.78ドル
・為替手数料:8.78ドル × 152円 = 約1,334円

合計手数料:7,500円 + 2,500円 + 1,334円 = 11,334円

(2) オンライン送金(事前受付・海外他行宛)

  1. 送金手数料:3,500円
  2. 中継銀行手数料(仮定):2,500円
  3. 為替手数料(同じ計算式で):約1,334円

合計手数料:3,500円 + 2,500円 + 1,334円 = 7,334円

ゆうちょ銀行の場合

(1) 窓口での送金

  1. 送金手数料:7,500円
  2. 中継銀行手数料(仮定):2,500円
  3. 為替手数料(同じ計算式で):約1,334円

合計手数料:7,500円 + 2,500円 + 1,334円 = 11,334円

(2) ゆうちょダイレクト(インターネットバンキング)での送金

  1. 送金手数料:3,000円
  2. 中継銀行手数料(仮定):2,500円
  3. 為替手数料(同じ計算式で):約1,334円

合計手数料:3,000円 + 2,500円 + 1,334円 = 6,834円

比較まとめ

銀行・方法送金手数料中継銀行手数料為替手数料合計手数料
三井住友銀行(店舗)7,500円2,500円1,334円11,334円
三井住友銀行(オンライン)3,500円2,500円1,334円7,334円
ゆうちょ銀行(窓口)7,500円2,500円1,334円11,334円
ゆうちょ銀行(オンライン)3,000円2,500円1,334円6,834円

参考

株式会社三井住友銀行|外国関係手数料のご案内

ゆうちょ銀行|その他の料金(国際送金)

このように銀行からの海外送金は、かなりの手数料がかかります。また、書類の準備も複雑で日本人でも面倒に感じるほどです。そこで、外国人留学生におすすめの海外送金サービスをご紹介します。

おすすめ①キョウダイレミッタンス

Kyodai-remittance

画像引用:キョウダイレミッタンス

在日外国人向けに特化した送金サービスです。

キョウダイレミッタンスをおすすめするポイントは以下の通りです。

  • 基本送金手数料:460円〜(送金先により異なる)
  • 16カ国出身のスタッフによる多言語サポート
  • 全国15店舗以上の窓口対応
  • 世界中の主要金融機関と直接提携で送金がスピーディー

たとえば、先ほどと同じ条件でアメリカへ10万円送金する場合の手数料は、

基本手数料(1,480円)+入金手数料(125~440円)+為替手数料(1,334円)

=2,939~3,254円(入金方法によって異なる。)

と、お得な手数料で送金できます。

さらに、予約なしで来店できる窓口では、16か国出身のスタッフによる多言語サポートも。来日して間もない方、日本語に不安がある方も安心して手続きできます。

おすすめ②Wise

WISE

画像引用:Wise

手数料が安く、為替手数料もかからない送金サービスです。

Wiseのおすすめポイントは以下の通りです。

  • 基本手数料が安い:送金額の0.35%〜1%程度
  • 為替手数料なし:ミッドマーケットレートを採用
  • 送金前に手数料が把握できる
  • スマートフォンで簡単に送金可能

Wiseの手数料は、固定手数料と変動手数料があり、送金額、入金方法、通貨によって変わります。

たとえば、先ほどと同じ条件でアメリカに送金する場合の手数料は、

固定手数料(265円)+変動手数料0.6%(594円)=859円

と、格安な手数料で送金できます。

さらに、すべての手続きがスマートフォンアプリで完結。いつでもどこでも手続きできます。また、手続きの前にすべての手数料を把握できるから安心。思ったより手数料が高かった!という失敗もありません。

銀行口座を開設して快適な留学生活を送ろう!

2-bankbooks

今回は、外国人留学生の皆さんに向けて銀行口座の開設方法をご紹介しました。スムーズな口座開設には事前準備が欠かせません。今回ご紹介したポイントを踏まえ、丁寧に準備していきましょう。

また、海外送金は銀行よりも海外送金サービスがお得です。自分に合ったサービスを選んで、時間もお金も節約しましょう。

『海外送金シミュレーター』でお得な事業者を見つけよう!

お得な海外送金事業者は、その時々の自分の送金条件によって異なります。さらに、為替レートはリアルタイムで変動するため、お得な海外送金事業者もリアルタイムで変わっていきます。数十社以上ある海外送金事業者を同時に比較し、お得な海外送金事業者を特定することは、自分一人ではほぼ不可能です。

自分にとって最もお得な海外送金事業者が知りたい!」という方は、「Money Saver 海外送金シミュレーター」がおすすめ!
海外送金シミュレーターは、約30社為替レート手数料着金時間等リアルタイムで比較することができます。もちろん、ご利用は無料です。
ぜひ、「Money Saver 海外送金シミュレーター」を使って、あなたにとってお得な海外送金事者を見つけてください。
※海外送金シミュレーターの活用方法はこちらの記事をご覧ください。

remittance_simulator_top_pc

海外送金
シミュレーター
送金手数料・為替レートを一気に比較!

利用する

ご利用は無料です。

海外送金シミュレータータイトル
海外送金シミュレーター 利用する